Soliloquy

【 2003/12 】

* (12/4)
* (12/24)
* (12/26)
* (12/30)

* 2003/12/4 (木) 【 】

「あー、最低だこの靴、ろくに走れん。」
「走ってきたの?」
「ネクタイの結び方の練習をしてて昨夜遅かったからな、この惨状だ(汗だく)。」

それは火曜日のこと、教授の先生に誘われるままに、あるシンポジウムに行って参りました。場所は、とあるホテルの大きなホール。

そもそもの発端は、教授がちらっと紹介してくださったシンポジウムの案内にみんなして軽くのってしまったことです。web上で登録を済ませると、封書が届きました。

「…英語。」
「えーと、『このシンポジウムの公用語は英語です。日本語による同時通訳は提供されません』と、書かれています。」
「これ、結構きっちりしないといけないんじゃないですか?」
「まあ、スーツは間違いないね。」

そんなこんなで実家からスーツを取り寄せ、ネクタイの結び方を学び、おまけに前日は卒業された先輩と研究室の学生全員で飲み会をし、当日、全員がスーツ姿で駅に集合です。
この時点で既に若干グロッキーです。

…異空間でした。
ホテルが会場なのだから仕方が無いというか当たり前なのですが、豪華でした。国際級ですから。で、そこの受付にRegistration cardを出し、
「○○先生ですね?どうぞ。」
…違います。駆け出しのひよっこです。勘弁してください。

ポスターは、まだ文字が書かれていますから何とか理解しようとすれば頑張れるのですが、今日のメインは、講演、しかも英語の。初体験です。

演者は 英語で 講演を 始めた!
言葉の 壁が 敬称略を おそう!
敬称略は ねむってしまった!

…駄目でした。本っ当に駄目でした。必死で食らいつこうとしたのですが、英語も難しければ化学も難しい。二段構えできっちりあっさり倒されてしまいました。

敬称略は まだ ねむっている!

それでも何とか、断片的に翻訳されて取得された情報はあります。問題は全体がつかめないほど断片化していること、そしてある程度全体の流れがつかめないと話が全く(化学として)分からないこと。化学の話に到達する前に、化学式の発音の仕方が違うだとか、その単語が聞き取れなかったとか、その意味わからんとか、そんなところで相当消耗しました。きっちり判ったこことといえば、ネイティヴの英語は流石にネイティヴで、スイス人の英語はややドイツ語のように発音が硬く、日本人の英語は基本的に下手だということ。しかしそれでも先生方はみんな英語で議論が普通にできるということ。相手がしゃべってる語尾に被せるように意見を言うのですから大したものです。あれぐらいできるようになるんでしょうか、私も。

敬称略は 目をさました!

午前の講演が終わると、Lunch breakです。
…ホテルの料理がでるわけです。高価いやつが。そりゃ美味しいですが、回りはみんな偉いさんですし、スーツにネクタイで、あんまり食い気が起こりませんでした。だいぶがっついてる先輩はいましたが。どうやら私たちの他にも学生は数人いたようなのですが、流石に私のように学部生っぽい人はいなかったような。

で、午後の講演です。

演者は 英語で 講演を 始めた!
言葉の 壁が 敬称略を おそう!
敬称略は ねむってしまった!

繰り返し言っておきますが、本ッ当に駄目でした。今回のテーマは、医薬品に近いような大きな化合物の合成反応、特に不斉合成(野依先生がノーベル賞を取ったやつ)などがメインで、私がやってるテーマから外れており、化学としても私には難解だった、というのが駄目だった大きな原因です、って、純粋に勉強不足、駄目やん。

敬称略は まだ ねむっている!

それにしても、分からない言葉で落ち着いて話される話というのは、言ってみれば、ある種のクラシック音楽のようなものですね、本当に。話しておられる先生はその筋の人たちから見れば本当に超有名な先生だったそうなのですが、私達ひよっこにはまだその名前の有り難みが分かりません。大学の講義で有機化学を教えてくれた教授がその先生に質問して、『きみは細かいところまで良く気が付いているね、素晴らしい。(意訳、確度保証無し)』と言われているシーンを目の当たりにして、連綿と続く化学の歴史を感じてました。

敬称略は 目をさました!

二人分の講演が済むと、Coffee breakです。
もうコーヒーも飲まず、みんなして逃げ帰りました。まあ、時間が余ってしまったのでその後スーツ来たままキャンパスに行ってデータ整理というオチになったわけなのですが。

以下、今回のシンポジウムで主に学んだことです。
・『馬子にも衣装』というが、所詮衣装だけでは一時間も持たない。
・話が面白くても言葉が分からなければ『馬の耳に念仏』である。
・良い『経験』にはなったが、『勉強』にはならなかった。
・礼装用の靴は走るようにはできていない、というより、歩くのにも不向きである。

痛でででで、筋肉痛が。

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* 2003/12/24 (水) 【 】

その日、このキャンパス初めての雪が降りました。この冬始まって以来の寒気に乗って、雪の結晶がうっすらと山々を被い、このキャンパスにもはらはらと。行き交う人々も思わず足を止めて空を見上げ、真っ白な息を吐き出し、「寒いね。」と…。

言う状況では全くありませんでした、吹雪一歩手前です。下宿の前の道には積もっていなかったのに、キャンパスへと上る坂の歩道にはこれでもかと言うほどの新雪、きかない視界、空転する車輪、っていうか歩いても普通に滑るんですけど。そして道路脇には近所の子供たちが朝一で作った雪だるま、立ち往生するバイク。

そんなこんなで今シーズン最初の雪を楽しんでまいりました。キャンパスに人影はまばら(土曜日だから)、到着すれば「あの坂、登れた?」というねぎらいの言葉。早速食堂の入口に飾られている雪だるま(当然のように鼻が人参、口がハム)。近所の親子連れでにぎわい、学生が入る余地のない食堂。そしてお湯の出ない研究室(給湯器未稼働)。

…要は「寒かった」って事です。よくよく考えたら「山々は雪化粧」の「山」に含まれる所なんですよ、このキャンパスの立地条件としては。この日に限らず、夜の冷え込みは本当に厳しいです。街の灯と暖かさは遠く、そしてと言うべきかだからと言うべきか、澄みきった冷気の中、星空の美しさと言ったら。

「星空の見えるキャンパス」「夜景の綺麗なキャンパス」…何というか、一日の最後に心安らぐ刻ではあります。9月の中頃までは、火星が見えていました。その後は、ひたすらに月が美しく、そして今の時期はオリオンが中天に輝いています。晴れた夜は、一日の終わりについ駐輪場で足を止め、空を見上げてしまいます。

もちろん、曇りの日や雨の日には星を望むべくもないのですが、「霧の日」というのがこのキャンパスにはありまして、その時は街灯の明かりが霧に映え、まさに幻想的な光景であります。

「幻想高地、キャンパス」…要は、日常生活には若干の支障をきたしている、って事です。

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* 2003/12/26 (金) 【 】

さて質問です。12月25日は何の日でしょう?
クリスマス?大切な日?皆さん、それぞれの思いと考えがおありでしょう。ですがここからのお話では私の定義に従っていただきたい。

そう、12月25日は「研究室の大掃除&忘年会」の日である、と。

あらかじめ指定された時間に研究室に赴くと、先生が既に掃除を始めている、と言うのが毎年のパターンなのだそうです。ドアを開けると掃除機の音が。

今回の大掃除はいつもより簡単に済ませる感じでした、何しろ引っ越してから半年という建物ですから、汚れも前のキャンパスに比べれば大したことはない、と。とりあえず物をどけて、一面掃除機をかけ、汚れている部分は全体重をかけて重点的に拭き、床にこびりついた汚れは剥がし落とす、と。こう言ったときにスパチュラ(ヘラの付いた薬匙)が活躍したり、アルコールがすぐに出てくるのはいかにも化学系な所ではあります。メタノールでは床が変色するから駄目、アセトンも同様、イソプロピルアルコールは大丈夫、と…って、何の統計を取っているんですか。何はともあれ、自分の空間を重点的に掃除したことは言うまでもありません。…いや、先輩を見習っただけですよ?

給湯器は復活した模様です、お湯が出ました。これは有り難いです、仕事がはかどります。まあ、「埃がつまっていた」という理由には若干呆れましたが。さらに、「まだ配管に断熱材が巻かれていないところがある」とのこと。…手抜き工事共めが。

そうこうしているうちにワックス拭き開始、って言うかもうちょっと待ってください、もう少し取れる汚れが…っ!

…問答無用でワックスが拭かれました。合掌。もうこの汚れは研究室のワックス層の一番下に閉じこめられ、永遠に除かれることがないでしょう、後世の学生が発掘意欲に駆られない限り。拭かれることによってかえってくすむ床、そこかしこに見られる塗りむら。それにしても、ワックス拭きなど、なかなかしない体験ではあります。塗りたての所を歩くと、足跡がついてしまうんですね。「先生。メジャーリーグの選手みたいに、足跡を残して良いですか?」
…先輩、何を。

その後は荷物を戻して、少し整理をし、一休みをし、さらに各自の実験台の整理と掃除です。「掃除面積が広い」「一人あたりの実験台が広く、いい研究環境である」「要はそれだけしか人数がいない小さな研究室である」…言い方は様々ありますが、私としては前向きにふたつめの表現を大事にしたいと思います。
「おぉ、きみの実験台はきれいやね。」
「…研究進んでなくて、あまり実験できてませんからね。」
「いや何をそんな自虐的に。」
先輩に笑われましたが、研究があんまり進んでいないのは事実です。一つ壁を越えるか避けるかすると、また新たな問題が、と言う感じで。とにかく今はデータがほしい。まあそんな思いが顕れた半冗談の言葉ではあったのですが、それとは別に「掃除欲」とでも言うものが溜まっていたらしく、明らかに何かのスイッチが入ってしまったかのような掃除の仕方でした。私の実験台近辺だけ何故かよく解らないがすっきりぴかぴか。

その後はみんなして一旦解散し、今度は駅に集合、忘年会をするにも列車に乗らなければならないような所です、ここは。
「あ、来た。遅いよ。」
「…すいません、出遅れまして(汗だく)。」
どうもこんなキャラになってしまった感が否めません、良くない傾向です。

忘年会は、普通の忘年会でした。まあお酒の席のことはそんなに話すつもりはありませんが、先生はもうちょっと良いものを食べたそうでした。学生的にはよい選択だったのですが。「いや〜、ちょっと選択まずかったかな。」とは先輩の言葉。確かに、隣で合コンが始まったのは感じ悪かったですが。

一次会を終え、今年はこれで終了です。来年からはいよいよ切羽詰まった感じになりそうです。別れ際に、先生が一言。
「いよいよですね。期待してますよ。」
…その言葉、11月くらいから聞いているような気がします。

残ったメンバーで二次会へ。教授の行きつけの居酒屋&おごりです。
…違う世界を見せていただきました。雰囲気がいい。何もかもが美味しい。メニューに並ぶ見たこともないお酒、教授との話、先輩との話…、いろんな話が聞けて幸せでした。他のところに行きたがっていたメンバーをよそに、教授の話とお薦めのお酒に酔いしれる私と先輩。…若干年寄り風味が入っていることは否めません、わりとしたたかに酔いました。でも仕方ないでしょう、美味しかったんですから。

そして電車の時間にあわせて、帰宅。ちゃんとタイムリミットがあるところが、節度を保てて良い感じかも知れません。近所によい宴会場がないことの言い訳にしかなってませんが。

そして、メールが届いていることに気付きます。
「クリスマスは、どう過ごしましたか?」
…だから息子をいじるのはよせ、母親。

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* 2003/12/30 (火) 【 】

皆様お久しぶりです。ネタピ年末最終更新担当、ぐるちょです。 最終と言いつつまだ30日なのでもしかすると31日のぎりぎりな辺りにAI氏や敬称略氏が書いてしまうかもしれませんが、 そういう細かいことは気にしない事にします。 そもそも年末最終更新担当なんて担当は無いんですが、そういう根本的な事も気にしない事にします。

この年末は何かとイベント満載で非常に多忙でした。 どのくらい多忙かと言うと、年賀状はもういいや来た人だけ返そう、っていう位多忙でした。 「なるほど、例年通りだったんだ」と思ったあなたは ハガキによる年始の挨拶というコミュニケーションの重要性をもっと理解した方が良いと思います。 えーと私もですか。

年末の忙しさが加速し出したのは、26日の卒論中間発表が差し迫りだした24日辺りからでした。クリスマスって何ですか。 その辺りで発表資料はほとんど出来ていなかったので25日で詰めるつもりをしていたのですが、 25日は朝から一日中研究室の大掃除という事を24日に知った時は衝撃でした。 結局資料はそれなりに完成できたのですが、 中間発表自体は相応に突っ込まれ放題で、 思わずボケに走って笑いを取ってしまう程でした。 「よしウケた」とか思った私は 突っ込みから始まる議論の重要性をもっと理解した方が良いと思います。 えーと、ついうっかり。

そしてその日はそのまま研究室の忘年会でした。 前日、前々日の睡眠時間がほとんど無いという事もあって酔いの回りとテンションの上昇が良く、 先輩の方々にアグレッシヴなツッコミを入れまくってたような気がします。ちょっと度が過ぎたかと反省気味です。

忘年会終了後はそのまま実家まで帰宅しました。というのは、別に酔っていてボケた訳では無く、 翌日の夜出発で所属しているテニスサークルのスノボ合宿に参加するのに、 板とかウェアとか、主要な荷物が実家に置いてたのでそっちから行った方が楽だと思ったからです。 テニスサークルなのにスノボという辺りに突っ込むのは厳禁です。 なお中途に下宿の方に置いていた物を普通に忘れていくのは基本です。防水スプレーとか日焼け止めとか。

合宿の方は、夜行で行き夜行で帰るという1泊4日の日程でした。場所は赤倉でした。 やたらとクレープ屋の多い温泉街でした。 滑れるのは2日間だったのですが、1日目の滑りで首に結構ダメージを受けた上、 その後の飲み会で結構な量を飲んだ為に2日目の朝は頭痛スタートでした。 割と酷そうだったので大人しくしていようと思ったのですが、 「なぜベストを 尽くさないのか」という言葉がおもむろに頭に浮かんでしまったが為に普通に滑る事に決定しました。 ベストー いっぱーつ という感じです。え、分かりませんかそうですか。 普通に考えるとちょっと無理があるのですが、転倒するたびに頭痛が復活する以外は大丈夫だったので特に問題は無いんでしょう。 え、問題有りますかそうですか。

そして合宿から帰宅。下宿では無く実家へ直接帰りました。 最終的なダメージは、全身の筋肉痛、軽いムチウチ(?)、靴擦れでした。 そんな私を実家で待ち受けていたのは 近所の神社の新年を迎える準備の手伝いでした。 何やら今年の12月から1年間は親がその神社の宮守になるそうなので私もその手伝いをする 必要があるという事だそうです。 今月の6日も、宮掃除の為に実家に呼び戻されていて、その時に年末年始の事は聞いていたのですが 実際に迎えてみるとなかなかシビアでした。よく考えると夜行バスであまり眠れてませんし。 今日の作業は境内の落ち葉掃除と飾り付けと、 それ自体は大した事は無いのですが、コンディション的に非常に辛い仕事でした。 なお、境内は常に杉や檜の落葉があるため、落ち葉掃除は明日もやるそうです。 キリが無いとはこのことです。

明日は大晦日。新年を迎える準備も大詰めです。朝から作業です。 そして年が明ければ12時間ほど参拝者のお出迎え、または火の番をする事になります。 そんな感じで新年は裏方として迎える事になってまして、なかなかしんどそうなのですが 折角なので楽しめたらいいな、と思っております。 楽しめるポイントが有るのかどうか分かりませんが…。

どうもまとまりが付かず長くなってしまいましたので、この辺で。 Soliloquyとして文章を書くのが久しぶりな物ですから。 え、関係有りませんかそうですか。

それでは皆様、良いお年を。

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