Soliloquy

【 2004/7 】

* 成功のファンファーレと共に (7/4)
* はじめての 海外出張 〜前フリ〜 (7/6-10)
* 熱対策 (7/25)
* Event Inventor、教授 (7/30)

* 2004/7/4 (日) 【 成功のファンファーレと共に 】

敬称略は実験に失敗した。
しかし目的化合物は合成された。

もう一週間ほども前の話になりますか。パワーセービングモードでの運用が続いていたさなかでの出来事です。若干気が抜けていたんですかねぇ。ひたすら疲れていたことは確かです。皆様はいかがお過ごしでしょうか。いい加減この暑いの何とかして欲しいんですけど、何とかならないのでしょうか。下宿もそうですが、キャンパスもそう。照りつける太陽、せり上がってくる湿気。冷房装置が欠かせなくなっています。キャンパス屋上に設置された温度計は、暑さと湿気でトチ狂ったのか、連日35℃以上をマークし続けています。そんな感じで、デフォルトで夏バテなのです。そんな状況で行った実験でした。

「滴下漏斗」という器具があります。オーソドックスな化学実験には欠かせない器具で、要はその中に反応剤、あるいは反応剤を溶媒に溶かしたものを入れ、コックの開きを調整して、その下に連結してある丸底フラスコの中にそれをポタポタと垂らすための器具です。丸底フラスコの中ではもう一種類の反応剤と溶媒が攪拌されていて、上から一滴一滴落ちてくる度に反応が起こる、と。まあ、こうやって反応を制御して、異常に高温になったり、その結果突沸したり、そうでなくても望まない余計な反応(副反応という)が起こらないようにしたりするわけです。

そんなわけで、使い方は至って簡単。下のフラスコで反応剤と溶媒を攪拌しつつ、この滴下漏斗にもう一種類の反応剤を入れ、あとはコックを調整しつつ開き、制御しつつ反応をいかせればよいのです。そんなわけで、反応剤を加えます。

コックが全開でした。
反応剤が、全部下のフラスコに落ちていきました。
黄白色のものが、吹き上げてきました。

ああ、事です。30分かけて滴下するはずの反応が一気に。反応装置は沈殿だか溶液だか判らないもので全体黄白色に。周囲にもなにやら点々と。ドラフト(排気装置付き実験台)の中でのことだったのがせめてもの救いでしょうか。しかし今までの段取りが全くパア。隣のドラフトで同じ反応をしている先輩には大ウケ、私は一人消沈。

もはや量がどれだけ取れるか、なんていう次元ではありません。物ができているか、というところにターゲットを設定しなおし、惨状の後始末にかかります。溶媒で反応装置を洗い込み、集めた液体から何とか目的物を絞り出します。しかしながら、失態を演じてしまった直後、精神状態がそう簡単に立ち直れているわけがありません。自分で自分につぶやきながらの作業です。
「…取りあえず、取りあえず物があるかどうかだけ確かめられたらいい、収率が低くても、ある程度量があれば次にはいける。何とか持ちこたえてくれ私の精神!(ふるえる手でピペット(溶液を移すガラス器具)を操りながら)」

パリーン

「…持ちこたえろって言っただろうがよ〜(脱力)。」

…ああ、向こうのドラフトで、先輩の忍び笑いが。

しかし話はここで終わりはしませんでした。結構な量の目的化合物が取れてしまったのです(収率46%)。いや、まあ、低い方ですけど。あれほどミスった割には。ちなみに先輩は、最後の蒸留の段階で生成物が真っ黒けになってしまい、再度蒸留を行う羽目になっていました。なんて言うか、実験の手つきの微妙さでは互角です。

しかし、これだけ取れるって、毎回あんなに丁寧に実験やってる意味ってものが。

その週は、他にも色々と。

敬称略達は、装置の取り扱いに失敗した。
装置は、若干、手負いになった。

流しておいたはずの冷却水が止まってしまい、超高真空ラインのポンプのオイルが割と飛んでしまった感じに。このキャンパスは、水道がいまいち安定しないので、この手の水害が頻繁に起こります。ハンダ付けしてあったプレートが落ちてたから、まあ何度くらいになったかは容易に想像が付き。仕方がないので、装置が無事か確かめるために、試運転。それだけでは勿体ないので、この機会に色々整備したら、若干手負いのまま、以前より良いスコアを出すようになりました。
日本では、こういうのを「怪我の功名」と申します。

こういったことの間に挟まれた日曜日。この日は教授宅にお呼ばれでした。もちろん、いちばん楽しみにしていてバーベキューの用意までなさっていたのは教授本人、というわけで。他にもたくさんの料理を出していただき楽しませていただきました。やったことと言えば、えーと…。

教授の息子さんとUNO。研究室の学生とボードゲーム。

どうも地味に無礼なことをしている気がしてなりません。とはいえ、こちらがボードゲームをしている間、教授、その息子、その他研究室のメンバーは、一丸となって、「人生ゲーム」に興じていましたが。

で、私がそんな輪から離れてハマっていたのは「abalone」という二人対戦のボードゲームです。自分の持つ駒を動かし、相手の駒を盤上から押し出す、というゲームなのですが。

「…略君。考えてること、丸解りだよ。」

…どうやら手の先読みを、呟きながらやっていたようです。しかしそれでも互いに深く読み合う精神力勝負に。そうこうしているうちに、人生ゲームは一周終わったようです。

「何や、まだやってるンかいな。」とは教授の言葉。
「いや、めっちゃ熱いですよ。」とは観戦していた友人の言葉。

確かに、遠くからは熱さがわかりにくい地味なゲームです。

その後、夜もだいぶ深くなってきたあたりで、教授宅を辞去。楽しませていただきました。ありがとうございます。

まあ、日曜開催なだけあって、案の定、次の週はダメージを引きずりがちでしたが。

[ 敬称略 ]

* 2004/7/6-10 (火-土) 【 はじめての 海外出張 〜前フリ〜 】

ぐるちょは 海外出張を 命じられた!
ぐるちょは 半年ぶりのネタを 得た!

ぐるちょは 執筆用のパスワードを 思い出せない!

どうもお久しぶりですぐるちょです。 年末以来ですか。まぁ一応ネタがあるにはあったんですが、どうも書きかけてまとまらなくてやめてしまう、 って事が何度もありました物で。 という訳で、とりあえず今回は前フリ程度にとどめておきます。次回ちゃんと書くつもりです。 こうしとくと、まぁ残りを書く義務感が出てきて最後まで書けそうな気がしますので。 ちなみにパスワードは管理者権限を行使して何とかしました。 いや、これは濫用じゃないですよ?

まぁそれはいいとして、研究室関係で初めての海外出張に行ってきました。行き先は上海。 単なる研究会出席では無く、発表付きでした。 初めての対外発表でした。 ついでに、初めての海外でもありました。 そもそも、飛行機乗るのも初めてだったりしました。 っていうか、本州から出るのもh(略

そんな感じでハマリ要素満点だった訳です。 まぁしかし、救いだったのは発表が日本語でよかった事でしょうか。 というのも、参加者が割と"内輪"で、日本語が分かる人しかいないという状態だったからです。 …じゃぁ何で上海なんて場所でやってるのか、って事が極めて疑問に感じられますが、 一日目は、現地の大学の学生さんも交えての全編英語なセッションでしたし、その辺は大丈夫です(何が)。

というあたりの細かい所も含めて、 残りは来週中くらいに書けたら良いなぁ、と思っております(気の長い話だ)。 というわけで前フリでした。

[ ぐるちょ ]

* 2004/7/25 (日) 【 熱対策 】

敬称略は精製操作に失敗した。
目的化合物は跡形もなく消え去った。

…文献通りにやったはずなんですけれどねぇ、何で出てきてくれないんでしょう、結晶?文献には載せられない必殺技でもあるのか、単に私が下手なのか。まあ後者の可能性が高いわけですけれど。

どうにも暑い日が続きますね、皆さんご無事でしょうか。私は何をするにつけ効率が非常に低下してしまい、作業が遅れに遅れる日々です。原稿がしばらく飛んでしまったのも大目に見てください、ってのは責任転嫁ですか、申し訳ないです。

それにしても、暑い日が続きますね。キャンパスは坂の上、登れば汗だく、朝から汗でベトベト、行動可能状態になるまでに15分ほどの冷却が必要…、とまあ、いい加減汗をかくのも面倒になるような日々です。キャンパスの屋上温度計は40℃越えが日常茶飯になりました。そりゃ太陽光発電の一つもしたくなるような状況です。

キャンパスだけがそうなら、文句を言うだけで済むのですが、実は私の下宿も似たような状況です。東向きに窓があり、最上階で、西も実は通路があるだけ、という構造なので、日が出れば即暑い、朝から暑い。部屋にいる時間と空調を焚いている時間が完全に一致してしまっています。電気料金を見て凹むことになるのは目に見えているのですが、こればっかりはどうにも。
「略君は毎朝、こんがり焼き上がって“チーン”って下宿から出てくる。」
空調切ってたら本当にそうなります。

しかしずーっと空調を焚くのは流石に予算的に痛い。予算的に痛いどころか、冷却に使うエネルギーがさらに気温を押し上げてしまい、余計に熱さがひどくなります。これは避けたい。かくして、暑い暑いという中さらに身体を動かして(つまり暑い目をして)各所に熱対策を施すことになります。

扇風機
葦簀
断熱スプレー
エアコン洗浄スプレー

以上のものをホームセンターで購入します。使用目的、使用方法は単純にして明快。そんなわけで、成果を中心に記すことにしましょう。

扇風機
 ややぬるい空気であっても、外気の方が基本的には気温が低いはずであるから、大量に回せば空調無しでも何とかなる。…というコンセプトだったのだが、肝心の外気が地味に暑い上湿度が高く、あまり涼しくならなかった。現在は専ら冷房によって生じる温度ムラの解消に使用されている。

葦簀
 入射する熱量を減らせ、というコンセプトで購入したもの、一つめ。窓を完全に被い、光を遮って、入射光で部屋の中の物が加熱されるのを防ぐ。(以前は部屋の内側にあるカーテンが非常に熱くなっていた。カーテン無しなら、部屋の中で布団が干せた。)…はずだったのだが、天井や窓以外の壁から地味に熱が染み込んできており、入射光は重要であるにしても支配的なファクターではなかったことが判明。しかも入光量が減ったために寝過ごしがちになるという副作用まで発生。

断熱スプレー
 入射する熱量を減らせ、というコンセプト、二つめ。本来は窓用だが、西日を浴びて意外と高温になることが判明したドアに使用。…したのだがいまいち効果が実感できない。確かにあんまり熱くはなっていないような気がするのだが…。ドアの面積そのものが大したことない、というのも要因の一つだろうか。

エアコン洗浄スプレー
 空調機の効率を高めよ、というコンセプトの下使用。開けてみたら埃だらけだった空調機を洗浄。熱交換フィンはある程度きれいになった。送風ファンまでは分解できなかったので外からスプレーを吹きつけることで何とか洗浄を試みた。
褐色液体がバタバタ出てきて、部屋が汚れた。
ファンそのものは、埃の取れムラができてしまい、回転させたときに偏心して、カタカタ言うようになった。
で、ファンを回してみたら、中途半端に取れそうになっていた埃の塊がいっぱい飛んできた。

結局、ネタ的には寒い結果だったものの、暑さに変わりはないって事です。

[ 敬称略 ]

…ンで何でわざわざぐるちょ氏の前振りと本題の間に挟むねん、と思われた方も多いことでしょう。確かにその通り。しかしながらこれもまたオツなもの、というのが私の考え。話と話が折り重なって展開し、「あれ、今日は誰が書いてんだ?」と[write:]の欄をチェックする、って感じで。

まあせめて、「今週は」と言ってもらえるくらいの執筆から目指したいのですが。

* 2004/7/30 (金) 【 Event Inventor、教授 】

えー、皆様、しばらくぶりです。暑さでうだってなどいらっしゃいませんでしょうか。私は、様々なところに若干ずつの障害が発生している感じです。

本当に、困ったことに、ここしばらく「暑い」始まり以外の執筆開始をしていないような気がしますが、事実なのですから仕方ありません、お許しください。

本当に、ひたすら暑い暑い暑い暑いと言い続ける日々なのですが、何も私だけがこんな目をしているのではありません。実のところ、私が通うこのキャンパスにいる人間は皆、そんな目に遭っていることになります。学生たちのみならず、事務職員もそう、教授たちもそう。

で、ここが重要なのですが、学生たちが暑い暑いと文句を言っても何にも変わりません。せいぜい生協でペットボトル茶の安売りが行われる程度です。しかしながら、ひとたび教授が声を上げるとなると…。

「あ〜、もう。暑いし、たいした楽しみも無いし。略!ビア祭りやろう!ビア祭り!」
「は?はい!?」

そんなわけで、キャンパス全体を巻き込んだビアパーティが行われることになりました。キャンパス移転一周年記念というのが表向きの口実、暑いし周りに飲み屋もないしやってらんないというのが本音。実はうちの教授、生協の理事までやってまして、そういう方面のスタッフには顔が利くという事情があります。権力者の文句の威力、ここに顕れり。そして、さまざまな方面でスタッフが動き始めることになります。

教授が、教授会に掛け合って告知と協力の呼びかけ
もう一人の先生が、事務部との掛け合いや、細々した根回し
生協の店長が、当日の進行予定、出店内容などの検討、手配

で、なんで私がこんな事情を知っているかといいますと。

私を含む数名の学生が、学生周りの呼びかけと、当日の会場仕事

…妙に企画力のある上司がいると、いろんな仕事が降ってきます。

しかしまあ、いろんな企画が降ってくるとは言え、それらの企画を企画倒れに終わらせないところがうちの上司のいいところであります。教授陣の中に協力者を作り、日取りをキャンパスクリーンとかいう炎天下の清掃作業の日の夕方というピンポイントに設定し、おまけにそのキャンパスクリーンへの参加の謝礼をビア祭りのチケットにしてもらうという客集め作戦を展開し、さらに自分の研究室の学生にも前売り券をしっかり買わせる、という熱の入れよう。他にも生協のアンケート協力の謝礼とか、そういったものにビア祭りのチケットを忍び込ませ、着々と客集めを展開なさいます。三歩引いて見れば、さすがの企画、実行力。五歩引いて見れば、たいしたお祭り好き、とにかく、余念がありません。

さて、当日。
都合よく炎天下になった空の下、おそらくとんでもない暑さを味わっているであろうキャンパスクリーンの面々を見ながら、本日の客の入りを予想し、喜々として会場の設営と物資の搬入。な・ん・だこのハズい法被は!?はあ、まあ。これを着ろと?そして、狙ったように夕立。
教授「何やこれはー!?」
私「ある意味完璧なシチュエーションです!」
これ本当に教授と学生の会話なんでしょうか。雨をよけて一部撤収、その後、雨止みを待って再展開、さらに開店準備。で何でもうビール飲んでらっしゃるんですか!?え?サーバーのチェック?はい。

そうこうするうちに、開店時刻。
教授の予測:順調に盛況
生協店長と私の予測:ひょっとして閑散なのでは?
結果:想像を絶する盛況
結論:「みんなイベントに飢えてるなぁ。」

本当に想像を絶する盛況でした。人が来るわ来るわ、もうちょっと無視されたまま寂しくやってるのかなという予想は完璧に外れてしまいました。すさまじい勢いでいろんなものが売り切れていきます。協力店舗から追加の物資が搬入されてきます。ビア祭りなのにビールすらも追加する状況。そして、基本のオチとして、サーバーの調子が悪く、ビールがぬるい。飛んでくる「遅い、ぬるい、泡ばっかり」のご批判。
「あのビールを売っちゃうところが、いかにも生協だよね。」
「ビアホールだったら、まず潰れてるわな。」
そのご批判、ごもっともです、申し訳ございません。でもそのビールを飲んでくださるのが、いかにもこのキャンパスの皆さんというか何というか。
「略!氷!」
「あ、はい!」
そしてペールボックスを台車に乗せ、建物内にある製氷機(化学系なので各階に一台ずつ共用の製氷機がある)から氷をかっさらってくる私達。大騒ぎでした。一斉清掃をしたその日にこんなに散らかしていいんでしょうか。その後、会がお開きになった後は皆で周辺の掃除をやり直し、業者さんたちがすさまじい勢いで会場の備品を撤収。鮮やかな流れでした。結局その日は、どの研究室もほぼ研究中断モードで、そのまま飲み会モードに発展したところも多かったとか。本当に皆さんイベントに飢えていらっしゃったようで。

そんなこんなでひと段落し、ビア祭りの中心メンバーも反省会をかねた打ち上げということで、坂を下り、最寄り駅(タクシーで約10分)近所の料理店へ。
「とりあえず、“冷えた”ビールください!」
あんなビールを出しておいて、割と悪党です。そして今回の打ち上げと反省。
「ビールがぬるかったのを除けば、想像以上の大成功!」

…除かなければならない条件が厳しすぎます、ビア祭りなのに。
え、来年?そうですね。その点は修正しましょう、ってまた駆りだされるんですか、私?

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