Soliloquy

【 2004/8 】

* 雛の巣立ち (8/2)
* 緊急企画、いつものNTM (8/14)
* 新米達 (8/28)

* 2004/8/2 (月) 【 雛の巣立ち 】

皆さん、お元気でしょうか。今回も例によって「暑い」始まりなので、以下は省略させていただきます。…あまりの暑さに様々なところでの作業先送りと省力化が進んでおります。

「鳥人間コンテスト選手権大会」というのをご存知でしょうか。某テレビ局主催で行われ、毎年8月の最終土曜日に放映が行われる、人力飛行機の祭典です。日本に幾つも人力飛行機を製作するチームがあるのは、この大会の功績ともいえましょう。特に、テレビ映りの面白そうな異形機が毎年コンスタントに製作されているという面においては。

さて、その大会が7月31日、8月1日の両日にわたって行われました。で、そのうちの人力プロペラ機部門、8月1日のほうの観戦に行ってまいりました。近隣の方々のほかに、全国から人力機に取り付かれた人間たちが集まってくるなかなか面白い会場です。始発電車を使っても一番機の発航には間に合わない(午前6時頃)という気象条件第一な大会で、あいにく前日に用事があった私は途中からの観戦となってしまいましたが。

テレビなどでご存知の方も多いかと思いますが、この発航の瞬間というのが相当どきどきな感じでして。高さ10 m のプラットフォームから飛び出してそれに続く数瞬の間に機体を定常飛行状態に持ち込むわけなのですが、その数瞬がもう。…あまり説明になっていませんか。まあ、この感覚は生で見てみないとよくわからないものです。あたかも元々飛ぶのが下手な種の鳥の雛が、初めて空に飛び出すその瞬間のようです。よたよたと高台に上がって、高度を利用して飛び出す、みたいな。そして、うまくいった雛だけが琵琶湖上空を舞うことになるわけですね。ちなみに、私の代のは飛び出した二瞬後に骨折しまして、大空を舞うことは叶いませんでした。そんな経験があるからこそ、余計いろいろ思うのかもしれません。

さて、最近の人力飛行機のテクノロジーには素晴らしいものがありまして、機体、パイロット、そして気象、この三条件が完璧にそろいますと、30 km は優に、そしておそらくどこまででも、飛べてしまいそうなところまで来ています。一昨年、そして特に昨年はこの気象条件が本当に完璧で、さっき述べたようなとんでもない記録が出てしまったわけなのですが。

今年は気象条件が最悪でした。台風です。日本を掠るだけでも人力機のような軽い(そしてデリケートな)機体にとっては致命傷です。プラットフォームに上がるものの飛び出す前に骨折してしまう機体、飛び出せたものの風にあおられて着水してしまう機体、そんな鳥たちの続出です。本当に気象条件というのはいかんともしがたいものです。とは言え、条件が整うまで順延、というわけにもいかずです。そんなことしたら、全国で数百という単位が飛んでいってしまうことになります、何しろ学生が多いですので。結局プロペラ機部門は中止、なんとも、本当に大変でした。この意味では、書類選考に落選してしまったうちの後輩たちはラッキーだったのかもしれません、まあ、結果論なんですけれども。

しかしながら二年連続で書類選考に落選してしまっては、大空に機体を飛ばす楽しみを味わえない代ができてしまう、というよりむしろ、一度くらいは思いっきり飛行させたい、というコンセプトの下、大会に先立つこと3週間、7月10日早朝に、自分たちのチームだけで、記念飛行が行われました。場所は琵琶湖、記録飛行の経験があるチームにアドバイスを頂き、漁協の人にも協力をしてもらった末の飛行です。砂浜にベニヤ板で 30 m ほどの滑走路を湖に向けて作り、機体を組み上げ、状況を見ながらパイロットが乗り込み、追跡用のボートを出し、記録用のカメラを構え、準備を整えて風が止むのを待ちます。

そして、午前6時5分。
私たちの数代前から数年にわたって、産み、温め、孵し、育ててきた翼が、飛び立っていきました。
もう雛ではない、立派な若鳥の翼です。

離陸の瞬間は、見守っている側としては本当に、声にならない。そんな感動というか、衝撃を、久しぶりに味わうことができました。辛うじて声を出すことができた者たちが遠ざかる機体に向かって応援の言葉を叫びかける以外は何も声の無い空間。私はといえば、しばらく後になってようやく、
「行った…。」
と呟くばかりでして。やがて機体は水平線の向こうに消え、さらに数分の後、6014.18 m もの飛行を成し遂げて着水したそうです。視界から消えるなど思ってもいなかったので、想像をはるかに上回る大記録だったと言えましょう。こんなフライトを見せてくれた後輩たちには、祝福と同時に感謝の念すら湧いてきます。

まあ我ながら、ずいぶんと世界の狭い趣味のような気もしますが、どんなことでもいいんです、自分が本気で打ち込んだものがあるか、感動できるものを持っているか。そういうのがあると、今後、何かに生きてくることがあるのではないか、と。あくまで可能性ですけど。まあ、思い出に耽れるだけでも十分大事なものだと思います。そんな感じで、記録映像に今、見入っているわけです。

…何て言うか、取り憑かれてるなぁ。

[ 敬称略 ]

* 2004/8/14 (土) 【 緊急企画、いつものNTM 】

奇跡の大地、約束の地、その地は滋賀県ッ!
何だこの涼しさは…ッ!!

さすが故郷です。水田を渡ってくる心地よい風、夜には虫たちの鳴き声、今季初の素麺、西瓜。扇風機のみで暮らせる気候に感激。いいところです、さすが故郷。こんな感じで誰もが自分の出身地はいいなあ、って思ってるんでしょうね。私の場合はそれがたまたま滋賀県なだけなのかも知れませんが、それでも、いいものです。もちろん8月8日の琵琶湖花火にも行ってきました。さすがの規模です。8月16日には隣町の花火にも行ってきました。こぢんまりとした花火でしたが、灯篭流しと合わせて、よく演出されていました。琵琶湖では幾つかまとめて場つなぎにしか使われていないスターマインですが、射点が近いと意外と迫力があります。で、ラストにでかいナイアガラをやるのがここの花火の特徴ですね、割とレアです。

さて、久しぶりの「暑い以外」始まりですが、そんな8月14日に、毎年恒例の Netatic Meeting が行われました。場所は例年通り d.d.亭です。んでそれが何で緊急企画やねん、というお声があるかとは思いますが、今回は日取りの決定が緊急でした、2日前。その結果、微妙な予定だったぐるちょ氏が寝坊によって自ら止めを刺してしまい、不参加となってしまったわけなのですが。その割に翌日の施餓鬼(寺の行事@故郷)にはきっちり来ていたので、まあ要は早く顔見せに帰ってこい指令だったようですね。そんなわけで、今回のメンバーは AI氏、d.d.氏、Sergeant_F氏、そして私こと敬称略の4名です。主役っぽく30分遅刻したら怒られました、申し訳ありません。とりあえず乗車時点で15分も遅れていた京都市交通局のせいにしておきます。

さて、例によって例の如く、コンセプト未決定のまま始まったNTMなので、近所のスーパーをうろつきながら中身を考えます。とりあえず何か料理が行われることだけは暗黙の決定事項です。

で、どういう思考プロセスを経たのかはよくわかりませんが「豚の角煮」にメニューが決定されました。他に、鳥の砂肝も付けます。今回は、他にも思考プロセスの残骸が幾つか購入されています。うどん、豆腐、…ここからどうやって角煮に思考が飛んだのでしょう?それはともかくとして、他におつまみと飲み物を幾つか購入。さらに近所の酒屋でお酒も購入します。

…久しぶりの d.d.亭です。広いシンク、口数の多いコンロ、スパスパな包丁、数々の調理器具…、憧れのキッチンです。これがあるからこそ d.d.亭では間違いなく料理が行われます。

まずは、昨夜の残りを利用したカレーうどん。思考プロセスの残骸が生きています。カレーもうどんもまともだったために、至極まともなカレーうどんが出来上がりました。食します。普通でした。むしろ AI氏が調合してくださったカンパリオレンジのほうが…。カンパリ、見た目とは裏腹に相当苦いお酒です。そこが良いのだそうですが。他にも、カンパリみかん、カンパリ野菜ジュース等、若干危ないものが調合されたような気がしますが、ここは流すことにしましょう。それとは別に d.d.氏提供のお酒も別の意味で若干危険でした。

スキル「忘却」と、遠大なる時間で、熟成料理もラクラク開発。
…「忘れられた梅酒」の開発が完了しました…

忘れられた梅酒【わす−うめしゅ】
 相当の歳月が過ぎ、高い熟成度を持つに至った梅酒。仕込んだまま忘れてしまうことによって生成する。熟成年数、十数年?それすらも忘れられている。d.d.氏の祖母氏謹製。

もう、美味しくって、飲み易くって。知らないうちに限界線を越えそうな感じです。って言うか、こんな貴重なもの頂いてよかったのでしょうか。

角煮は時間がかかりそう、という懸念の下、昼食後すぐにレシピの確認が行われます。そしてそのまま調理開始。昼食の後片付けとの並行作業です。「これ入れるから、その鍋だけ先に洗って。」「葱に洗剤がついてる。」等、並行作業の弊害を地味に出しながらの調理です。そして3時間の放置。AI氏がダウンロードした全年齢に不適切な内容が含まれているゲームを見たり、犬たちと戯れたり、テレビで高校野球を見たり。滋賀県を一腕の下に滅ぼしたダルビッシュ投手がまた他のチームを滅ぼしにかかっていました。とりあえず、地味にいい香りがする中、ひたすらまったりとすごします。そうそう、無印良品のあのでかいビーズクッションが導入されていました。いい感じです。沈み込んだら立てません。若干欲しい気もするんですが、下宿に置いたら部屋の半分は占拠されてしまうんですよね、あれ。しばらく後に調味料を加え、落とし蓋をし、さらに煮込みます。

普通な素材と、普通な調理で、普通な料理もラクラク開発。
…「普通の豚の角煮」の開発が終了しました…

普通の豚の角煮【ふつう−ぶた−かくに】
 一般的な豚の角煮。あくまでレシピに忠実に作成し、ボケきれなかったために生成する。一因として、レシピ自体ボケを挟みにくい事が挙げられる。

…まことに慚愧の念に堪えませんが、普通でした。普通に美味しかった。砂肝も同様。

そうそう、今回も日暮れ時を見計らって d.d.氏と二人、犬の散歩に出かけました。前回と同じく、私が小さい方のわんこの手綱を預かり、いつものコースを一周します。基本的に前回と全く同じ。違った点はといえば、私がぐるぐる巻きにされなかったことでしょうか(2003年10月13日付Soliloquy【NTM@d.d.】参照)。私が成長したのか、むしろ向こうの方が遊んでくれなくなったのか、判断に悩むところです。ちなみに座布団をひらひらさせると飛びかかって押さえに来てくれるのですが、これすらも遊んでくれているのか「行儀悪いからやめろ」と言われているのか、果たして。

そんなこんなで今回の Netatic Meeting はつつがなく終了。アグレッシブだったのはカンパリくらいでしょうか。残った物のほとんどを戦利品にし、あまりに普通なお裾分けを d.d.氏の弟氏のために残し、夕立の隙を縫って各人撤収。弟氏は残されていた料理のあまりの普通さに首を傾げられたりしたのでしょうか。ちなみに、私は酔っ払ったまま実家へ帰省です。

あ、そういや、豆腐買ったのに使わなかったな。

[ 敬称略 ]

* 2004/8/28 (土) 【 新米達 】

「まもなく、終点、草津、草津です。お出口は左側に変わります。乗り換えのご案内をいたします。普通電車、蒲郡(がまごおり)行きは降りられましたホームから連絡通路を…」

…”がま”?

乗客の上に一様に”?”マークが浮かぶ。同じ内容のアナウンスが繰り返される。そして数瞬の後。

「(落ち着き払った別の声)まもなく、終点の草津です。お出口は右側です。普通電車、上郡(かみごおり)行きは降りられましたホームから…」

…ああ、頑張れ、新米。って言うか、漢字くらいはちゃんと読め。

こうして、時には失敗を重ねながら、だんだんとベテランになっていくのでしょうね。かつて通った道、これからも通る道、その道の名は「新米」。私もそういえば何年か前は…、などという思考をするようになるっていうのは年寄りの始まりって言うことなんでしょうか。新米年寄り?若年寄り?何か違うような気も。

今年の夏はお盆から10日ほどの休暇をいただいて、前半を故郷で、後半を京都で過ごすことにした訳なのですが、その休暇をどまっぷたつに分断するタイミングで、本大学のオープンキャンパスというのが行われました。本来なら、私など既にこの大学で学んでいる身、特に見に行く必要もないのですが…。

「略。ちょっと頼まれてくれへん?学科から2人ずつ人を出すことになってるらしくてな…。」

…妙に仕事が回ってくる上司がいると、ヘンに仕事が降ってきます。

そんなわけで、オープンキャンパス。メインの流れからはちょっと離れたところに設置された相談室の相談員と言うことで、教授と2人で仕事をしてまいりました。やっぱり暑い京都の昼間にネクタイを締めて。ちなみに私はネクタイを結ぶのにいつも数十分かかってしまいます。すみません、締め慣れてないもので。で、電車に遅れかけて、急ぎ足、汗だくというコンボがいつものように決まることになります。

…暇仕事でした。

…ひたすら、暇仕事でした。

昼過ぎから4時間。私と教授のところに来た相談者数、のべ0人。

…当たり前です。私と教授が所属する学科は、本部キャンパスとは別の京都市の西の外れにありまして、この学科を志望する見学者達はバスに乗ってそっちの見学に行く、という元々からの予定なのです。何でこっちに相談室が要るんですか。相談したいような人々はみんな向こうに行ってるんですよ?うちの事務のいけてないところがきれいに出ています。

仕方ないので、そのへんにあった雑誌を読んだり、持ってきた本を見たり、周囲を観察したり…、とにかく時間を過ごします。教授はノートパソコンと書類を持ち出し、内職モードです、流石の準備の良さというか。

で、見てると流石に、相談に来る皆さんは若いですね、当たり前なのですが。基本的に私より5歳は年下、ということになりますか。たまに、そうとは思えない雰囲気の方もいらっしゃいます。何というか、私が言うのも何ですが、本学は変人が変人を呼ぶ、変人の巣窟、と言えるような一面もございますので。でもそれでも、見てると若いんですよ。「経年劣化してない」という表現が正確かどうかは判りませんが、そんな感じです。独りで来る方にそういったオーラが良く見受けられましたね。私よりしっかりしているかも知れない、天才になるかも知れないオーラを持つ方々。そういった方々の対極に、親同伴で来られる方も、さらには、親が、来られる方もいらっしゃいました。このパターンも面白い。面白いというのはどうも人の人生を茶化すようで語弊がある言い方ですが、でもまあ、受験するのはあなたではなく、と思わずツッコみたくなる感じの方もいらっしゃいました。で、お前はどうやねん、と本人の方に思わす言ってみたくなる感じの。
 人間を観察するのは面白いなぁ、というのと、こういう観察眼気分になるためには、どうしても5年程の時間の力がいるんだなぁ、というのが、今回の感想。つまり、年の功の力の一片を見たって事です。若干ネクタイの締め損のような気もしますが、気にしないことにしましょう。

で、その後、私と同様に暇仕事にうんざりしていた教授に引き連れられ、飲み屋さんに。ここではまた逆の立場で、年の功の力を見ることになるわけですね。こういうことに関しては、私は全くの新人です。美味しいお刺身と、通(なのだそうですが、私には解らず)な日本酒のラインナップの、いいお店でした。とても私独りの力では入れません(苦笑)。

さて、その日はお互いしたたかに呑み、ふらふらと帰り、翌日は午後まで目が覚めなかった訳なのですが、その一週間と半分後、またも飲み会に。今回は院試の打上ということで、四回生に飲ませる企画でした。で、一次会が終わった後、またしても教授と呑む羽目に。このときは四回生も交え、もう一つの研究室の教授と呑むことになりました。途中からうちの教授が、他の店で捕まえてきた先生方を引き連れて合流。再びしたたかに呑む羽目に。

あー、すいません、1日明けた今でもキータッチがヘンです、割と酔いました。で、こういうときの私の話は、7割引くらいで聞いてください。参ったな、酔うと後輩に色々語ってしまう癖、何とかした方がいいな。喜ぶべきか悲しむべきか、中年パワーが身に付いてきてるような気が。

新米中年、これもいずれ通る道か…。

[ 敬称略 ]

そうそう、ぐるちょ氏による本編をお待ちの皆様。もうしばらくのご辛抱を。
って言う風にここに書いておくと、過去の日付で書かれたときも、本当はいつ書かれたものなのか追跡することが可能になります。
というか、もう一月半は過ぎてますよ、氏?

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