-この記事は過去ログキャンペーンの一環として書かれています-

皆様、ご無沙汰しております、いかがお過ごしでしょうか。ついにやってきた3月、別れと旅立ちの季節でもあります。しかしまぁ、旅立つ前にこれだけはこなしておけよ、といった物事が当然のように降りかかってくる時期でもあります。

どうにか、何とか、卒論発表が終わりました。本来ならば修士1回生の私は特に何をするでもなく暇なはずだったのですが、何で午前3時とか午前4時とか、挙句の果てに徹夜とかやってるんでしょうね?ねぇ、4回生たち?

そう、そんなわけで、4回生の卒論発表の手伝いをなぜか全力でやる羽目になってしまいました。私の作業など完全にほったらかしになっています。3日前に PowerPoint が半分もできてないとか、まだデータが出てないとか、もうちょっとで形になりそうとか、みんなそろってそんな状況に落ち込みましたので。いやしかしさすがに発表2日前に実験するのは制止しておくべきでした。連鎖反応的に遅れる作業、しかし延びない締め切り、足りない作業量、差し伸べられる支援の手…。
「略さん、今日はもう、ちょっと…。」
「分かった、原稿は明日の朝までにチェックしとくわ。」
という調子で、午前3時。
「略さん、昨夜は有難うございました。ところでまだ先生がレジュメ直してくるんですけど…。」
「…見せて。訂正はこっちでやっとくから、そっちは発表用の PowerPoint を仕上げて。」
という調子で、午前4時。
「略さん、昨夜は本当にすんません、助かってます。」
「…構わんから、とりあえず練習。それが終わったらちょっとだけ休んどき。あんたこれでもう3日は帰ってへんやろ。PowerPoint の体裁整えるぐらいはやっとくから。」
という調子で、徹夜。
みんながみんなこの調子、うちの研究室、若干どうかしてます。そして出てくる大量の徹夜者、朝一に来て驚く助教授。
「お、徹夜か。」
「はぁ、まぁ。」
「おお、お付き合いか。」
「ええ、そんなところで。」
「…君もか!?どうなっとるんや一体。」
「え?いや〜。」
…私が支援することになった彼も相当でしたが、PowerPoint 全部作ってもらう羽目になった彼とその支援をしていた彼、ご苦労様で。

こうやってみんなで手伝って、挙句の果てに親がスーツを届けにきたりしてどうにか発表に漕ぎつけたわけなのですが、結局発表するのは本人、ただ一人。私たちにできるのはその手伝いまでです。このあたり、非常にSRB (固体ロケットブースター) 感にあふれています。本体を押し上げられるところまで押し上げて、自分は軌道に達することなく途中で落下していく、あれです。
SRB だけでは何にもならない、しかしSRB がヘタレだと本体は届かない、とまぁ、なんとも妙な位置取りになってしまったわけですが、なってしまった以上、彼にはちゃんと発表を乗り切ってもらいたい、そのためには今私が全力を尽くす、たとえ力尽きようとも…ッ!!

そして迎えた発表本番。
後はお前の力だ、頑張ってくれ、頼む、ぞ…ッ…。
部屋の後ろで遠く彼の発表を見ながら、力尽きた私は眠りの海へと落下してゆくのでありました。

…しかしこの一連の大騒ぎの中で、一番初めに諦めの笑顔を浮かべたのが彼の指導教官って、一体どういうことですか。