Soliloquy

【 2006/3 】

* 2年めのSRBの気持ち (3/1)
* 修了旅行 in 九州 (前編) (3/24)
* 修了旅行 in 九州 (後編) (3/26)

* 2006/3/1 (水) 【 2年めのSRBの気持ち 】

さて、私にとって学生生活最後の一月が始まりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私の属している専攻は修士論文の提出が3月の22日、とか言うありえない日付に設定されています。最後の最後まで学生を使いまわす意図が見て取れます。といっても私はまだましなほうでしょうか、もっと大変な人は3月27日〜30日にかけて行われる学会発表までする羽目になります。私としてはそんな意図にはのらず順調に修士論文の執筆をして、今頃にはほとんど書き上がって…という魂胆だったのですが。

進捗率:数%

まったくどういうことですか、データ処理すらあんまり進んでいません。それというのも、例によって例の如く、他の仕事があったからで。で、何をしていたかというと。

「略さん、チェックお願いします」
「ん、じゃ暫く後で」

というわけで、自分の修論発表が終わってからこのかた、4回生の卒論発表のサポートをずーっとやっておりました。…なぜ私が。確かに最高学年ではありますが、研究テーマはジャンルからして違いますし、去年サポートして成長してくれた1学年下の方々が居るではないですか。

しかし、1学年下の方々にはそんな余裕はありませんでした。

「○○君、次はこの実験やろう。原料はこっちで用意するし、精製が終わったらチャートは取っておくから。…ところで、単位そろった?」

というわけで、かなり大変な4回生が居まして、その卒論のサポート。卒論発表のサポートではありません、卒論のサポートです。しかも僅か一月ほどで。それというのも、彼を担当していたはずの教授が「実験はするな、単位を取ってこい。卒論は何とかするから」という指示を出しておきながら、このタイミングになって「卒論どうなってるんだ!?」なんて言い出して、挙句「一月でインスタントに結果がでるテーマない?」と、学生にすがろうとし、最後には「もう君は『はい』って言ったんだからな、僕は知らんぞ」と、去年の10月に着任したばかりの新任の助手先生に責任ごと丸投げしたものですから。そんなわけで、1学年下の方々、助手先生共々、かなりそれにかかりきることに。結果、私のところに卒論発表の構成やら、スライドレイアウトやら、原稿チェックやらが次々と舞い込んでくることになります。

「略さん、それ終わりました?僕のも見て欲しいんですけど」
「いや待て、その前に僕のがあるんやって」
「…わかったから、そこに積んどいて。ちゃんと下から順番に見ていくから」

何だこの過疎地の医師不足診療所みたいなのは。とりあえず研究室に出てきたら速攻つかまります。

「いや〜。今年は楽やわ。大していろいろせんでもええし」

はいそこの教授、バックハンド平手打ちですよ。その分誰が苦労してるんだって話です。そんなこんなでお気楽を通り越した人を抜きにして、研究室メンバーの苦労は続きます。そりゃみんなの夜食の買出しとかありますわ、みんなで徹夜とかやりますわ。
…監督不在の全員野球の様相を呈しております。

たとえ監督が居てくれなくても、たとえ内容が貧弱と言われようとも。正々堂々、パリッとした試合 (発表会) にしたい、というわけで、少しでもよい発表になるよう、皆で準備を続けます。この研究の特徴はこうなのだから、話の展開をもう少しこうしようとか、スライドはこうしたほうが見やすいとか、原稿ちゃんと覚えて、こっち向いて話せとか。PowerPoint にはそんな機能もあるけど、絶対変になるからそれは封印しろとか。

そして迎えた発表会当日。
だからその機能は封印しろといったのに…ッ!
といったことなどはありましたが、どうにかこうにか発表は進んでいきます。そういえば去年も卒論発表期はこんな感じだったなぁ。あたしの指導能力はちょっとくらい進歩したんだろうか、みんなはこんな足りない指導で頑張ってくれたけど、もっと上を目指せるんじゃないだろうか、ともあれここからは君たちの力、頼むぞ…ッ!
というわけで、去年と同じく燃料の尽きたSRB (固体補助ロケットブースター) よろしく、低空から4回生の発表を見守るのでありました。

…それにしても、ここに至ってなお、この卒論発表会を率先してグダグダにしていたのがうちの教授って、いったいどういうことですか。

[ 敬称略 ]

…本記事ではかなりな言われようをしている教授ですが、何も指導をなさらない、というわけではありません。この卒論発表においても、時々実験室に顔を見せて、言うことは言って行かれます。

「パソコンで作業をするときは、絶ッ対にタッチパッドでなくマウスを使え」

…他に言うことは?

* 2006/3/24 (金) 【 修了旅行 in 九州 (前編) 】

さて、4回生の卒論発表も終わりました。3月のここからは別れのイベントが目白押しです。サークルのメンバーに追いコンしてもらったり、研究室のメンバーに追いコンしてもらったり。世話になった先生と夕飯したり、部屋片付けたりなんだりかんだり。卒業式は忙しさのあまり行きそびれました。しかし修了証書の受け取りにはちゃんと行ったので問題なしです。それにしてもうまいこと言ってるようで実はグダグダ感が溢れていたな、教授のスピーチ。

修士課程修了。これから社会人になる私にとっては、これから長い間味わうことがないであろう「卒業」というイベントです。そんなわけで、それにちなんだイベントはちゃんとこなしておこう、ということになりまして。

「…どこ行きます?」
「九州行ったことない。阿蘇山行こう、阿蘇山。」
というわけで卒業旅行に九州。真面目に観光です。
「いい感じやね。途中に温泉もあるから寄って行こう。」
…ダメだ、やっぱり年寄りだ、この二人。

そんなわけで最後の学生旅行、『行き帰りの費用を抑え、現地で豪飲豪食』プランです。最後の学割を振りかざし、行き帰りはフェリー、現地はレンタカーの1泊4日、船中2泊というプランです。ちなみに同道の彼はフェリー初体験。

「いや〜。楽しみやわ、フェリー。」
「…多分、想像を超えてると思うぞ、二等和室は。」

そして、フェリー
「ヤバイ、確かに。想像以上やわ。」
「でしょう?これが二等和室だから。」
もう少し払えばだいぶ快適になる、という話ではあるのですが。ちなみに同道の彼は、夜中に隣の酔っ払い爺さんに絡まれて大変だったのだとか。

そして、翌朝早くに九州上陸。
「別府港、九州の海の玄関口。」
「…表玄関、って雰囲気ではないな。」
「…うーむ。」
まぁ、こんな朝早くに上陸すれば当然という気もします。基本的に店が開いていない。とりあえず、最寄の吉野家で朝食です。この時点ですでに、現地で豪飲豪食プランが崩れつつあります。そして、近所のコンビニで飲み物などを買い足し、レンタカー屋へ。

「燃える車は三菱車だ!燃えない車はこれから燃える三菱車だ!!」
「…なにそれ?」
「いや、そういうのが一時流行ってな。」
というわけで、三菱のCOLTを指名借りしました。この辺りは完全に私の趣味です。ちなみに最近の私はレンタカーを試乗車代わりにしています。購入候補になった車を順番に借りてみる、と。

『目的地まで、約40分です。安全運転でお願いします。』
とりあえず、今回もドライバーの紹介をしておきますと。
1. 運転に約2年のブランク、その前はさらに1年さかのぼった教習所、の同輩。
2. そして、私。
ハイどうしましょう。上質ペーパードライバーです、二人とも。確かに、今回のサブコンセプトとして、『自動車運転練習』というのも挙げていた気はします。しかし、あまりにブランクのありすぎる彼。そしてペーパーなのに教官の立場になってしまう私。とりあえず付近の交通量が少ないことだけが救いです。
そんなわけで、市内の交通量が増える前に、一路、由布院へ。

「あ、ごめん。道間違えた。」
「…みたいですね、そんなわけで、そこの駐車場でUターン。」
この2人にとって、カーナビとは、道の確認をするツールではなく、道を間違えたことの確認をするツールのようです。しかし確たるダイヤも予定時刻も制限時間も無く、ゆっくりまったり走れるのが自動車のいいところ。そんなわけで、道を間違えれば戻り、いい景色があればちょっと停まり、道中そんな調子です。

『目的地周辺です。ナビゲーションを終了します。』
カーナビの困ったところ。最後の一番大事なところでナビゲーションを放棄するところ。だからこの五叉路のどれを行けば駐車場なんですか。そんなわけでうろうろしつつ、何とか駐車場に。

「…で、温泉って、どの辺なんでしょうね?」
「さぁ?むしろ目の前にあるのは、ただの民家と雀荘と…」
ハイ。とりあえず車を降りても道に迷う性質のようです、この2人。

「あーあったあった、こっちだわ温泉。」
「確かに、この通りだけ観光地仕様だな。」
そんなわけで、観光なり露天風呂なり。真昼間からくつろぎきっています。付近には金鱗湖という湖もあります。『湖に生息している魚』という立て看板におもむろに『タニシ』とか書いてましたが、それは魚じゃない。ここで昼食がてら蕎麦など食したりします。

『目的地まで約1時間40分です。安全運転でお願いします。』
さて、由布院に別れを告げ、阿蘇へと向かいます。このルートは『やまなみハイウェイ』といって、完全な観光道路です。ひたすら景色を楽しみながら走ります。
「よし、後ろだいぶ溜まってるから次の直線で路肩によって。」
…あくまでも景色を楽しんでいるのだと言い訳しておきます。

そんなわけで、ちょっと景色のいいところ、峠の休憩所等々、ちょくちょく小休止を挟みます。
「うーひゃー。これ難易度高い〜。」
「大丈夫!時間を掛けさえすれば誰でもできる!…えーと、だから切り返しはその逆方向にハンドル回して…、その次は…。」
ここまで来て後退駐車の練習です。ちなみに教官役の私もかなり切り返していたりします。山並みは綺麗でした。登山道があったので思わず迷い込むところでしたが、ピークが見えている上に直登まるわかりなので踏みとどまることができました。

再び山道を下り、盆地に出、いよいよ阿蘇火口に取り付きます。が、火口ではなく観光ドライブインの駐車場 (有料) に入るというミス。仕方ないのでその近所の原っぱで一通りのんびり過ごします。宿のチェックイン時間もあるので阿蘇山観光は明日回しです。

『目的地周辺です。ここまでの所要時間は、4時間40分です。運転、お疲れ様でした。』
うーむ。予約したペンションを探して再び道に迷い、うっそうとした林道を走りなどした後にたどり着きます。

夕食はペンションのオーナーに紹介してもらった食堂で。確かにご当地風味ではありましたが、なんていうか、食堂。高校の近所にある感じの。いやまぁ、量は普通だったのですが。

夕食、入浴が終わった後は部屋でくつろぎつつ執筆などいたします。今回の旅にもdynabookが同行しておりまして、旅先でのちょっとした執筆家気分が味わえます。

ただし、執筆内容は、この原稿ではなく、修論。
…まぁ、書き上げられなかった私が悪いんですけれども。

[ 敬称略 ]

* 2006/3/26 (日) 【 修了旅行 in 九州 (後編) 】

翌日。
雨降りとともに爽やかな目覚め。やはり緑はいい。ペンションオーナーご夫妻に御礼を述べて出発。昨日行っておけばよかったかと思いながらも、めげずに阿蘇火口を目指します。手前まで車で上がり、最後は観光気分を兼ねてロープウェイに乗りなどします。

小雨パラつく天気でしたが、何とか火口を見ることができました。むしろ昨日は火山ガスが一日中酷くて見れなかったという話、意外とラッキーなことに。記念撮影などし、いくつかのお土産を買い込み、山を下ることにします。

本日の教習課題1:山岳濃霧
「何だこれー!?」
「とりあえずライト点ける。これから天気悪くなるから早めに下りよう。運転は落ち着いて、ゆっくりとな。後ろなんぞ気にするな。」
そんなこんなで霧道です。ちなみに教官も初体験。どうにかこうにかの視界の中、山を下ります。盆地に下りれば霧は晴れ、普通の道。
本日は昨日来た道をひたすら戻る行程です。

本日の教習課題2:山岳大雨
「うひゃー!?」
「とりあえずライトは点けといたほうがいい。で、ワイパー。落ち着いて、ゆっくり行けば大丈夫だから。」
やまなみハイウェイ、帰りは大雨です。教官も久しぶりの体験。交代やら休みやらを挟み、なんだかんだ言いつつも順調に進むことにします。

「…これより先、積雪。チェーン着装…ッ!?」
「ありえん、もう4月になろうかという九州で…ッ!!」
本日の教習課題3:山岳雪
「どうしよう、偶然スタッドレスタイヤはいてるなんてこと…」
「あるわけ無いだろうな。とりあえず、これだけ車が走ってるわけだから、行くだけは行ってみよう。ダメだったら引き返す方向で。とりあえずゆっくりな。急加速急減速禁止で。」
何故こんなことになっているんでしょう。雪道です。運転のスキルレベルがどんどん上がっていきます。もちろん教官も初体験。もはや何が起こっても「ゆっくりな」としか言えません。幸いにも路面の積雪は無く、梅に雪が積もる珍しい風景を眺めながらの運転となりました。

今度は由布院を通過し、そのまま別府へ。
「あれ?道間違えた?」
「正解。ちなみに行きも間違えてここに迷い込んでます。」
「…確かに、見覚えが。」
別府についてからは疲労とレンタカーを返す時間をにらみながら観光を続けます。別府地獄めぐり。といっても、行けたのは海地獄と血の池地獄だけでしたが。それぞれ青色と赤色。色の元となる鉄イオンに思いを馳せてしまうのが化学系の哀しい性か。

「あれ?この計算だと…、20 km/L は軽く走ってるぞ、この車。」
「確かに、アクセルよりもブレーキを多く踏んでた気がする。」
どういうことだそれは。ともかく知らないうちにかなりの低燃費走行が達成されていた模様です。その後、セルフのガソリンスタンドを初体験し、車を無事に返し、再び船中の人に。もちろん二等和室。同室は小さなお子様連れの集団。出港前にその子に土足で布団を踏まれるというオチ。夕飯は船中で食します。ご当地豪飲豪食計画はどうなった。

そしてその日も消灯まで執筆。洋上執筆。ただし残念ながら修論。しかしこのディーゼル機関の微振動がdynabookに地味にダメージを与えている気がしてなりません。

翌朝、上陸。
この旅の終わりとともに同道の彼とはお別れです。お互い元気でいよう、機会があったらまた会おう等々。別れの挨拶を交わし、解散。それぞれの行くべきところへと向かいます。行く先に自分の納得できる未来がありますように。

彼は、新天地への引越しへ。
私は、修論書きに研究室へ。

…何だこの積み残し感は。

[ 敬称略 ]
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